『体験をしているからこそ、できること』

原見 知子(はらみ ともこ)さん
ゆめ倶楽部21で副会長を務め、「押し花マグネット作り」、「クリスマスリース作り」の体験を担当している。ゆめ倶楽部21には山下会長に誘われて入会。元々所属していた女性林業研究グループで行っていた押し花マグネットを、ゆめ倶楽部21でも始める。後にクリスマスリース作りも担当。繊細でかわいらしい、バランスの良い作品に注目。

―どのようなきっかけでゆめ倶楽部21に入会しましたか?
 まず、ゆめ倶楽部21の話をすると、平成14年2月1日にゆめ倶楽部21が立ち上がりました。その少し前に、会長の山下さんがいらっしゃって「田舎の人が街の人に体験を提供する」というゆめ倶楽部21の活動の説明を受けました。実を言うと最初は、「そのような活動に本当に需要があるんだろうか。こんな田舎に、提供できる体験なんてあるのだろうか」と半信半疑でしたが、ちょうど子育ても落ち着いてきていたこともあり、「新しいことを始めてみよう」という気持ちになったんです。

インタビューの様子

―当時のゆめ倶楽部21の様子は・・・?
 設立総会があり、副会長という形で就任しましたが、私は周りの皆さんみたいに何もノウハウや特技がないのよ。(笑)それでも、会合に出席していろんな方の話や意見を聞いていると、「ああ、そういう考えもあるのね。確かに、こういうことも体験になるのね」と視野が広がるのを感じました。それに、皆さんとコミュニケーションをとれることが楽しかったんです。

 

―楽しそうですね。体験を始めたきっかけは?
 私は女性林業研究グループ(以下、女性林研)というグループに所属していて、元々そこで押し花マグネット作り体験をやっていたの。当時の女性林研の会長さんに相談して、ゆめ倶楽部21で押し花マグネット作り体験をする許可をもらって始めたという形です。クリスマスリースに関しては、実は私は3代目なんです。最初はIターンで日高川町にいらした方がされていたんですが、その方が大阪に戻られて、別の方が受け継いでいって。そして私含む4人が3代目を担当したんですが、最終的に私が担当することになって。今でもいろんな方に手伝ってもらいながらやっています。

 

―担当されている体験の内容は?

 押し花マグネットは、用意した押し花を選んで配置して、四角い小さなヒノキに透明なシールでくっつけて貼り付けます。それから、裏にマグネットを貼り付けて完成です。時間があれば、キーホルダーを作ったり、大人向けに名刺に押し花をラミネートしてもらったりもします。花もいろんな種類があるので、自分だけのオリジナル作品が作れます。ピンセットでお花をつまんで配置するのですが、どうしてピンセットでつまむかというと、手で花を扱うと劣化が早くなってしまうからなんです。それに、完成したマグネットのお花も時間が経つと自然とヒノキの水分を吸って、色が薄くなってしまいます。お花も生き物ですから仕方のないことなんだけど、色が長持ちするように、染色されたかすみ草を用意して鮮やかな色の押し花を作ったりもしているの。自然の色が一番なんですけど、これもなかなか可愛いんですよ。

クリスマスリースは、グルーガンを使ってリースにどんぐり、やしゃぶし、まつぼっくりなどを飾り付けして、リボンや鈴を付けて自分のオリジナルのクリスマスリースを作ります。もちろん見本は用意しますが、リボンをどこに結ぶか、どんぐりをどこに配置するか、全部体験者に決めてもらいます。

押し花マグネット作り体験の押し花、キーホルダー、マグネット、ヒノキ

女性林研グループの作品を並べたもの。流れ星のような原見さんの作品を探そう!

 

―どれもセンスが問われる体験ですね。
そうなんです。体験者の子どもたちの作品は、どれも個性が出ていますけど、配置やバランス、「こうした方が良いんじゃない?」等の指摘はしないようにしています。みんなそれぞれこだわりがありますから。実は私も自分の作ったものよりも、同じ女性林研のメンバーの方の作品の方が好きだったりするのよね。(笑)女性林研の皆さんと活動で沢山押し花マグネットを作る時も人それぞれ、おんなじ柄の押し花マグネットはないけれど、たくさん作ると似たパターンのものもあって、特定の柄のものを「流れ星みたいなやつ!」とか呼んだりして楽しんでやっています。

 

―体験をやっていて大変だと思うことはありますか?

体験の準備です。私なんかは、ギリギリになってから準備を始めてしまうタイプなので、いつも苦労しています。(笑)材料集めから始まるので、お花やどんぐり、まつぼっくりなどをどこで調達しようか悩みます。特に、お花には時期があるので、ついつい普段から「今は○○の花が咲いてるな」とか「あそこの花の色が綺麗だな」とか、自然と季節を感じます。最近は、ナラ枯れなどで木自体が枯れている傾向にあったりします。体験をやっていなかったら意識すらしないようなことですから、自然を感じていられるというのは体験のいいところですね。夜になるとしぼんでしまうお花は日中に、その他の花は基本的に夜中に押しています。昼間にお花を押すと、お客さんが来たら片付けないといけないし、何かと家事もあってバタバタしてしまうので、夜中なら落ち着いて作業ができるんです。

 

―押し花、とても素敵ですね!押し花の作り方は?
まずはお花を摘んできて、まとまって咲いているものはひとつずつに分けて、茎をはさみで切ります。そして手で花びらをきれいに広げて、和紙の上に置いて押していきます。花を並べて、花のついた和紙をまとめてチャック付き袋に入れ、空気を抜いて保管します。お花によっては、めしべがついている表側よりガクのついている裏側の方が色が濃くてきれいなものもあります。私は色の濃い裏側の方が好きだから、裏側を表にして花を配置したりします。押し花作りは大変なんだけど、こういうお花ならではの楽しみを見つけて作業しています。

簡単に押し花作りを実践していただきました!

―素材はどこから仕入れているんですか?
押し花マグネット用のヒノキは、龍神村の業者さんに作ってもらっていて、クリスマスリース用のリボンやベル、きらきらの飾りなんかは通販や大阪の手芸屋さんで購入しています。お花や木の実などの材料は苗を購入したり、山の中のものを自分で採りに行ったり、許可を貰って知り合いのお家にあるものを採らせてもらったりして集めています。体験の後、余ったものは袋に入れて保管しておくのだけど、色が変わったり痛んだりしてしまうんです。だから、うちの薪のお風呂の火付け代わりとして特にまつぼっくりを使ったりします。まつぼっくりはよく燃えるのよ。(笑)連続で体験があれば良いけど、やっぱりそう何回もあるわけではないので、その度に材料集めすることが多いです。子どもさんに渡すことを思うと、新鮮な材料の方が良いですから。

秋~冬限定!クリスマスリース作り体験の作品

―原見さんにとって体験とは?
コミュニケーションであったり、視野を広げてくれるもの。材料集めでいろんなお宅に伺ったり、手伝ってくれる人とランチに行ったり、体験当日には、ご無沙汰だったインストラクターさんにご挨拶をしたり。やっぱり体験をしていないとやらないし、できないことがありますよね。

 

―体験を通じて、体験者等にメッセージがあれば教えてください。
最近は、直接自然を感じたり、自然の中でこういった体験をすることってあまりないと思うんです。自然を感じてもらうことが貴重な経験になるんじゃないかしら。それに、体験で作った作品が、100%完璧なものじゃなくていいんです。うまくいかなかったものがあってもいいんです。この経験が、別の場面で「失敗したから次はこうしてみよう」「もっと頑張ろう」と思えるようなきっかけになってもらえたらいいなと思います。

 

―ありがとうございました。

 

インタビュアーについて
マサユキ:ゆめ倶楽部21の事務局。写真・文章の添削を担当しました。
ハヅキ:ゆめ倶楽部21の事務局。インタビュー挿し絵・文章を担当しました。
協力隊トモキ:日高川町の地域おこし協力隊。構成・HPへの掲載を担当しました。
  • このインタビューについて

*このインタビュー内容は2020年現在のものです。体験内容や作品は予告なく変更する可能性がございます。

* 作品・材料の販売等は行っておりません。お問合せいただいてもお答えしかねます。

*こちらのインタビューや、体験についてのお問合せは事務局(TEL:0738-23-9511)までお願いいたします。