『細かな作業も、ひとつずつ丁寧に。』

長瀬 曻(ながせ のぼる)さん
ゆめ倶楽部21で、「木工細工」、「寄せ植え」の体験を担当。当団体には、山下泰三現会長に勧められ入会。当時、何か新しい体験はないかと部会で話し合った際に、「木工細工」を提案。現在は長瀬さんが中心となり数人でインストラクターを担当しており、勉強会等を欠かさないこだわりの深さは必見。

―もの作りがお好きなんですね。
そもそも、僕たちの時代は、ものが豊富にあるわけじゃなかったからね。だから、○○がない!ってなったら、自分で作る。『作る』という行為が非常に身近なことだったんです。

インタビューの様子

―このお宅や作業場も自身で、基礎から建てられたものだと聞きましたが・・・。
はい。もちろん基礎からです。元々、定年になったら、自分で家を建てようと考えていて。家族にも手伝ってもらって、建てるのに3年かかりました。(笑)

 

―すごいですね。元々そういう職業に就いていたんですか?
いいえ。でも、実際に工事の現場に行って、見学させてもらったり、設計図をコピーさせてもらったりして勉強しました。仕組みさえ分かればできますから。定年前は建材メーカーで勤めていたのですが、主に床材を扱っていました。その縁もあって、この作業場の天井は床材なんですよ。床材は、何度も踏むものですから、丈夫なんです。

 

―床材だと気づかないくらい、馴染んで良い感じですね。ゆめ倶楽部21での体験の内容を教えてください。
まずは作品を見てもらおうかな。木工細工体験は、材料から部品を切り出して木の列車やトラック、ウッドバスケットを作るというものです。ノコギリも使用しますが、ほとんどボンドでくっつけるだけだから、子ども向けなんだけどね。寄せ植え体験は、釘を打って木箱を作り、そこに多肉植物を寄せ植えます。この釘を打つ作業は、簡単なようで結構難しい。だから、これは大人向けの体験なんです。この箱に使ってるスギの木は特別で、表面を焼いています。これなら水がかかっても腐らないから、水をやる時に、寄せ植えた多肉植物を移し替えなくて済むんですよ。

木工細工体験で作る列車(写真左)やトラック(写真右)

いろんな種類の多肉植物(寄せ植え体験作品)

 

―渋めの茶色で素敵です。多肉植物も栽培しているんですよね。
はい。こんな小さなサボテンも、ちぎって土に埋めるとまたにょきにょきと生えてくるので、いくらでも増やせるんですよ。でも、多肉植物は結構育てるのが難しい。普通の草花と同じように扱うとすぐに枯れてしまう。休眠期があるとか、水はほとんどやらないとか(まったくやらないと枯れるそう)、根が腐るから、雨に当てないようにしなきゃいけないとか。もちろん体験の時には、育て方を書いた用紙を配るんですが、持って帰った人はすぐに枯らしちゃうんじゃないかと心配です。(笑)

 

―かなりデリケートなんですね。多肉植物の育て方のコツは?

ものによるけど、基本的にはある程度日当たりと風通しの良い、雨の当たらない室内で置いておきます。水やりは夏と冬は1か月に1~2回、土の表面が軽く湿る程度に。春と秋は、1か月に3~4回ひたひたになるようにたっぷり水をやります。他には、真夏は遮光ネットで半日陰にして、冬は凍結防止に室内の日なたに置いておくようにしています。手間がかかりますが、ぜひ皆さんも挑戦してみてください。

 

―ゆめ倶楽部21に入ったきっかけは?
会長の山下さんに、畑のイモ堀り体験をさせてくれって頼み込まれたのがきっかけです。でも、ゆめ倶楽部21が立ち上がった当時、2,3年は入会してなかった。(笑)最初は体験の手伝いをするだけだったんだけど、結局誘われて入会しました。ゆめ倶楽部21の体験案内部会で、会員で集まって「何か新しい体験はないかなあ」って皆で考えてた時に、木工細工(列車作り)を提案して、段々バリエーションを増やしていって、今に至るという感じですね。

ハンドルまでしっかり作り込んでいます。

―なるほど。いつも思いますが、列車やトラック、細かなところまできれいに作られてますね。
素材はどこから仕入れているんですか?

知り合いの方を通じて、製材屋さんから木を買ってます。乾かして、鉋がけをし、紙やすりできれいにしてから、材料として使っています。個人的には、木はきれいにしてこそ値打ちが出ると思っているので、そこはこだわっています。

長瀬さんこだわりの道具

―すごいこだわりですね。
道具もこだわっていて、このノコギリなんかも、めが細かいものを購入しています。粗いものは、切ったところががさがさになっちゃうでしょ。やるなら、カッチリやりたいんですよ。(笑)

 

―長瀬さんにとって体験とは?
歳を取ると、友達や親戚とかも会う機会がなくなって、繋がりがなくなってくるんですよ。体験をすると、子どもたちとはもちろん、いろんな人と交流する機会になる。それにお小遣い程度だけど、お金もうけもできるし。体験は、社会貢献としても、遊びとしてもすごくいいんです。

 

―体験を通じて、体験者等にメッセージがあれば教えてください。
正直に言えば、この体験で作った木の作品には、それほど価値はないんですよ。でも、『自分でものをキチンと作り上げる過程』には、価値があると思ってます。簡単に見えるものであってもキチンとしたものを作るためには、いろいろな道具が必要ですし、道具を使うための知識や経験も必要です。今は、ものも情報も豊富な時代で、欲しいものはなんでもすぐに手に入るようになったからね。自分でものを作る・体で覚える、といった機会が奪われてる。そういったことを、体験を通じて学んでもらいたいです。

 

―ありがとうございました。

 

インタビュアーについて
マサユキ:ゆめ倶楽部21の事務局。写真・文章の添削を担当しました。
ハヅキ:ゆめ倶楽部21の事務局。インタビュー挿し絵・文章を担当しました。
協力隊トモキ:日高川町の地域おこし協力隊。構成・HPへの掲載を担当しました。
  • このインタビューについて

*このインタビュー内容は2020年現在のものです。体験内容や作品は予告なく変更する可能性がございます。

* 作品・材料の販売等は行っておりません。お問合せいただいてもお答えしかねます。

*こちらのインタビューや、体験についてのお問合せは事務局(TEL:0738-23-9511)までお願いいたします。